【インタビュー】NPO法人はぐくみ 山洞知里さん
親も子どもも もっと選択ができる 弥富に
NPO法人はぐくみ 代表 山洞 知里(さんどう ちさと)さん
- 1985年生まれ
- 旧十四山村出身、弥富市在住
- 大学卒業後、有料老人ホーム生活相談員を経て
- 母の経営するデイサービスのスタッフに
- 25歳から管理職として現場を切り盛り
- 2020年10月NPO法人はぐくみを設立
- 2020年12月民間学童保育あい・ふれあいをスタート
- 2021年3月フードパントリースタート
- 2021年7月じゅうしやま こども食堂スタート
- 2児の子育て中
- 趣味は漫画を読むこと
- 最近sexy zone FCに入会しました♪
NPO法人はぐくみ Webページ
(美咲)こんにちは、本日はよろしくお願いします。
(知里さん)こちらこそよろしくお願いします。
(美咲)早速ですが、学童保育を始めた経緯を教えてください。
(知里さん)元々、この場所で母がデイサービスを経営していました。
私は大学卒業後、有料老人ホーム生活相談員を経て、デイサービス管理者として入社し、現場を切り盛りしていました。
父の経営する運送会社と母の経営するデイサービスの両方の経理を手伝ったり、夜間のミーティング・会食など、とにかく昼夜問わずバリバリ働いていました。
結婚後、27歳の時に長男を出産しましたが、家族経営だったこともあり、産後2ヶ月目から子供を預けて現場復帰しました。
その時は名古屋市に住んでおり、職場近くの弥富市内の保育園に預けたかったので色々と調べたのですが、制度上難しくて。。
それでも名古屋市内では選択肢が多くありましたので、託児所やベビーシッターさんにお願いしながら仕事を続けられました。
2人目出産を機に弥富市に家を建てることになったのですが、引っ越し後もベビーシッターさんやファミサポを活用しながら仕事を続けることが出来ました。
ところが、長男の学童を探し始めた時に、不便さを感じたんですよね。
小学校入学の1年半前から学童を探し始めたのですが、住んでいる学区の学童のみの利用で、民間の学童施設も学区に制限があり入れず、学童保育の選択肢の少なさに驚きました。
当時の仕事では、この建物内と十四山福祉センターのデイサービスが2ヶ所ありましたが、時代の流れもあり、こちらの施設を先に閉めることになりました。
空いたこの建物で何かできないか、と考えた結果、民間の学童保育をやりたい!と思い、『せっかくやるなら、自分の子どもを預けたい学童に!!』と準備を始めました。
きめ細やかなサポートと柔軟な対応が魅力の学童
(美咲)ご自身の経験からくるものが大きかったのですね。実際にスタートしての感想や、具体的な活動を教えて下さい。
(知里)デイサービスの仕事の合間に準備や手続きをして、1年半かけてNPO法人を設立しました。
色々調べていくと、学童保育を運営するにあたり補助金が出るのですが、様々な条件があり、スタート当初から支給されるものではありません。
補助金がない分、どうしても利用料が高くなってしまうので、その分、内容を充実させて差別化をはかっています。
ハード面では、平日は放課後〜19:00(22:00まで延長可)、土曜・長期休暇時も8:30〜17:30(早朝7:30〜、22:00まで延長可)と市の学童より時間が長いです。
希望があれば、食事(朝・昼・夕)やお風呂の提供も可能です。
サービス面では、課外学習(社会見学)や公園巡り、おやつレク(一緒にホットケーキを作る等)、お寺宿泊体験など、子どもが楽しめるものを企画しています。
送迎サービスもあり、小学校までのお迎え、他の習い事や学童後の送迎、学童の中抜けも可能で、柔軟に対応しています。
もちろん、学習面にも力を入れています。
学童に預ける保護者の方は、基本的にフルタイムで働いている方が多いと思います。仕事で疲れて帰ってきた後に、家事をこなして子どもの宿題までみてあげられるか..と思うと、私だったら、宿題は学童で終わらせてきてほしいなぁと思います。
ですので、宿題で内容の分からない所や、持参のドリルなどもきちんと指導します。
(美咲)ちょっとした塾や家庭教師みたいですね!
(知里さん)とはいえ、親の仕事を取りすぎないように、というアドバイスも頂くことがあるので、保護者の方の要望も聞きながら、バランスをみて取り組んでいくつもりです。
また、目が届きやすいように、定員も20名と少人数にしており、グレーゾーンと呼ばれる子達にも細やかに対応できるようにしています。
グレーゾーンの子達が増えているという話は聞きますし、市の学童ではカバーできない部分をカバーしていきたいですね。
ちょっとのサポート、ちょっとの声かけで行動が変わってきますし、大人数が苦手な子もいるかと思います。
フードパントリーと子ども食堂に取り組んでいます!!
(美咲)素晴らしい取り組みだと思います。今、課題になっていることなどはありますか?
(知里さん)一番は私達のことを知っている人がまだまだ少ないことですね。
市役所にチラシを置かせていただいたり、HPも日々更新しながら、少しでも沢山の方へ届くように頑張っています。
まずは知っていただかないと選択肢に上がらないので、NPOの活動としてイベントなどの準備を進めています。
具体的な活動としては、2021年3月からスタートしたフードパントリーについて紹介させて下さい。
野菜やお米を宅配型で必要な方にお届けする活動です。
コロナ禍で支援が必要な方が増えていると思います。
共働きだからと生活に余裕があるわけではありませんし、世帯年収が多くても子どもが多ければ食費はかさみます。
表面上では分からない、支援が必要な方に届くことを期待しています。
野菜やお米の寄付については、飛島のFarmer’s High(ファーマーズハイ)さんが快諾して下さりました。
本当に有り難いですね。
今後も寄付をして下さる農家さんや、宅配のお手伝いをして下さる方も募集しています!
※詳しくはHPをご覧ください
こども食堂も活動にあげており、第一回目を2021年7月に開催しました。
学びを大切にしている当法人では、「食育」をテーマにしており、前回はJAさんのご協力のもと、お米・野菜のこと、食べることでどのように自分の身体の力になるのか等を学びました。
今後はコロナ禍でどう進めていこうか模索中です。
また、2階のスペースを有効活用したいと思い、2021年6月から公文式神戸教室がオープンしました!
公文式がない曜日や空いている時間帯は、レンタルスペースとして貸し出しをしています。プロジェクターやWi-Fi完備なので、研修や講座で使用していただいたり、フロアも広いので地域の交流の場になるといいなと思っています。
さまざまな繋がりと情報連携で全体の質を上げたい
(美咲)学童だけでなく、習い事や世代を超えた交流の場になるので、地域の活性にも繋がりますね!最後に今後の展望を聞かせてください。
(知里さん)私たちはNPO法人や学童の立ち上げのお手伝いもさせていただいています。民間の学童やこども食堂を増やして、子どもにもお母さんにも選択肢が多い弥富市にしたいですね。
色々なスタイルの学童が増えることで、お互いが切磋琢磨し、全体の質が上がったらいいと思います。
以前働いていた福祉業界は、横の繋がりがとても強いんです。
お互いの施設の特色を尊重し合いながら、情報交換をして、より良いサービスを提供できるように学んでいました。学童の業界もそうなったらいいな、と思っています。
また、不登校の子どもたちの居場所にも注目しており、2022年4月に開校できるようIT教材を使用した『フリースクール』の設立準備をしています。
はぐくみを利用してくださる方が増えることで、雇用の創出やシニアの方の生きがいに繋がることもイメージしています。
まだまだ始めたばかりで、カタチになっていることは少ないですが、夢は大きく持っているので、ひとつずつ実現していきたいです!
(美咲)ありがとうございました。
(娘と一緒にお邪魔しました。さすがは2児の母!)
取材後記
知里さんと初めてお会いした時の第一印象は、『なんてエネルギッシュな方なんだろう!』でした。福祉業界でのキャリアや、これからの学童・フリースクールの展開などの話を聞かせてもらい、「同世代にこんな方がいるなんて!しかも弥富に!」と刺激を受けています。
今ではすっかり意気投合し、お互いの活動を応援し合う仲になりました。
会う度に新しい展望を話してくれて、わくわくするお話ばかりなので、今後のご活躍が楽しみでなりません。
フリースクールが開校したら、また取材に伺いたいと思っています♪
事業所名:学童保育あい・ふれあい
住所:〒490-1405 愛知県弥富市神戸四丁目26番地
電話:0567-52-2757
FAX:0567-52-0484
定員:20名/日(長期休暇時も定員数に変更はございません。)
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