伝承 - 上之割 例大祭練習会 2019/8/18
弥富市では、毎年10月に各地で氏神様への奉納収穫祭が開催されます。
弥富市最大級の神社である「彌富神社」では、毎年10月の第二日曜日に例大祭が開催されており、彌富神社を氏神様とする各地区から山車が集まり、神社敷地内に設けた特設ステージにて文化芸能を各地区のメンバーが披露し、収穫を祝います。
今回は、2019/10/13の秋祭り発表本番に向けて練習をしている「上之割(かみのわり)」という地区の練習会を訪ねてきました。
(取材日:2019/8/18)
上之割はオリジナル演目の獅子舞が特徴
上之割地区では、毎年、獅子舞と太鼓演奏、ダンスの3つを披露しています。
獅子舞には特徴があり、「てんまり」という演目で獅子舞を披露する地区が複数ある中、上之割では「のみとりあまい(え)ちょう」というオリジナルの演目を持っており、獅子がノミを取る動きが独特で、竹笛の音に合わせて踊り、アクロバティックな動きもあるものとなっています。
獅子舞は、本番の舞台では青年会のメンバーが披露しますが、この日は小学生が中心の練習となっており、祭り終了後の上之割コミュニティ内の余興として小学生の男の子たちが獅子舞を披露しているとのこと。
ダンスは、小学生の女の子を中心に毎年2曲を練習。
1曲は「ソーラン節」を恒例の曲にしていて、もう1曲はその年の流行などを考えて、ダンスを踊るメンバーで話し合って決めているそう。今年は「パプリカ」です。
太鼓は、黒板に貼り出した譜面を見て、小学生全員で練習しています。
青年会が熱心に小学生を指導する練習会
練習は毎年9月初旬から月水金の19:30から上之割公民館で始まり、10月からは毎日練習します。
青年会の指導メンバーと、小学1〜6年生の参加が中心。子どもの参加者は年々減ってきているもののの、15人程度は参加しています。
公民館のホールにて、青年部の指導のもと、小学生が練習用の獅子(本番に持つ獅子の顔部分を模した木の箱)を持ち、「のみとりあまいちょう」を練習していました。
手の動き、体の動き、目線の送り方など、細かく指導を受けて、特徴的な獅子の動きを練習していきます。
指導をしている青年会のメンバーは、大学生や社会人ですが、ここで育ち、かつては自分も小学生で獅子舞を練習した方々。
自分たちが学んできた大切なことが途絶えないよう、文化の伝承には力が入ります。
竹笛は、中学生以上が吹きます。なかなか音が出せず難しい。
公民館のホールには、昭和47年以降の毎年の集合写真が額装されて掲示されており、歴史の伝承をしています。
「こうして脈々として受け継いできた文化、自分たちの代で終わらせるわけにはいかないですよね。この地域に住んでいないと演舞に参加することはできません。せっかく住んでいるなら、ぜひ参加してほしいなと思いますよ」(青年会 中山さん)
「自分が小学生だった頃の写真が貼ってあって、若い頃の父や祖父も見れるのは嬉しい」(青年会 宇佐美さん)
中高生の参加を促進してしっかり繋いでいきたい
和気藹々と楽しく、時に厳しい場面もある上之割練習会。悩みもあるそうで、青年会の宇佐美優作さん(35・会社員)に伺いました。
上之割は、100軒程度の家から構成された比較的小さいコミュニティで、まとまりは良いと思います。それでも、年々参加者が減ってきていて、代替わりができていない。
自分は小さい頃から参加していて、祖父が指導者だったので、指導する姿も覚えていて、自然とそのまま社会人になってからもOBとして毎年指導を続けている。"ボランティア"という響きは好きじゃなくて、なんていうのかな、ライフワークですかね。気づいたら今の形になっていた、という感じ。
子ども達もがんばっていますが、小学生の参加がほとんどで、中学校に上がると勉強や部活などが忙しい理由になって、コミュニティ活動にあまり参加してくれなくなります。
大学生ぐらいになってまた戻ってきてくれたらとも思いますが、なかなか「今更戻れない」という感じで、OBとしても戻ってこない。
高齢の青年部メンバーと小学生という構成になっているので、中高生の参加について、親御さんの理解も含めて促していきたいですね。
10/13、彌富神社に行って祝いましょう!
上之割コミュニティのほか、たくさんの地区からの参加がある彌富神社の例大祭は2019/10/13。
各地区の公民館等を出発した山車が練り歩き、彌富神社を目指します。
神社では各コニュニティの演舞披露があり、市内外どなたでも観覧は可能。
決してド派手ではないですが、彌富の文化として脈々と確実に受け継がれてきた文化。
絶やさぬように伝承されていってほしいと思いました。
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